老人性難聴は、年齢と共に生じてくる聴力の生理的な変化のことを指します。実際の難聴の程度には個人差が大きく見られますが、40歳代から始まり、60歳代から急速に進みます。 高い音(高周波数)から聞こえが低下していきます。
また音は聞こえても「言葉」の聞き取りが悪くなっていくことが特徴的です。
症状
聴力の低下は高音域から発生し、会話の音域、低音域へと広がります。またどちらか一方の耳が聴力の低下をするというわけではなく、左右にあまり差がないことが特徴的です。従って早期には難聴の自覚がなく、耳鳴りだけを感じる場合があります。
治療法
聴力の生理的変化ですので、治療をするという概念ではなく、聞こえを改善するといった方が正しいです。難聴が進行した場合は補聴器の装用を検討した方が良いでしょう。
また、ご家族の方や知人の方には以下のようなことを注意していただいた方が良いです。
- 聞こえが低下しているお年寄りの耳元で大声で話すことは控えましょう。
⇒音だけが大きく響いて、言葉の区切りがわからなくなってしまいます。 - 顔を見ながらはっきりした言葉でゆっくりと話してあげましょう。
老人性難聴は生理的な変化ですので、誰しもに起こり得ることです。周囲の方が支えあって、老人性難聴と向き合い、患者がすごしやすい生活となるよう心がけましょう。
※但し、耳垢や中耳炎などで聞こえが低下している場合もありますので、難聴による補聴器の装用を検討された場合は一度耳鼻咽喉科に相談することをお勧めいたします。